
Interview
金融の中心地ニューヨークで、
さまざまな手法を用いて
ポジションを適正に管理する。
鈴木 宏祐
KOSUKE SUZUKI
エクイティ部 上席課長代理
2016年入社 総合職
商学研究科修了
入社動機
専攻していた金融工学では様々な金融商品に触れる機会があり、自然と株式市場や、それらを実際に取り扱っている証券会社に興味を持つようになった。大和証券のインターンに参加したことで社内の雰囲気や自分の関心について理解を深めることができた。
5年間のデリバティブ取引経験を武器に
ニューヨークに乗り込む。
入社してからのキャリアを紹介してください。
私は2016年に大和証券に入社し、エクイティ部デリバティブ・トレーディング課でディーラーとしてのキャリアをスタートしました。エクイティデリバティブとは株式に基づく金融派生商品で、代表的なものに、特定時期に株式の売買を行なう権利を取引するオプションなどがあります。私は大和証券の自己勘定で顧客である投資家と日本株デリバティブの相対取引を行っていました。具体的にはデリバティブ商品を売買したいという顧客に対して、取引条件や価格を提示し、必要に応じて現物株の売買とオプションを組み合わせたポジションを通じて顧客との取引から生じるリスクをヘッジします。このように市場を介さず投資家と直接取引することで市場に流動性を供給し、投資家の需要を満たすことも証券会社が果たしている役割のひとつです。東京で5年間の経験を積んだ後、2021年にアメリカ駐在の機会をいただき、現在はニューヨークで米国株を中心とした取引に向き合っています。

ニューヨークで現在取り組んでいる仕事内容を教えてください。
現在はエクイティデリバティブに限らず、現物株も含めて投資家と相対取引を行っています。私は現在もエクイティ部に所属しているため、大和証券の自己勘定での取引もしています。したがって、東京エクイティ部の持つポジションを適正に管理することは使命の一つであります。一方で、米国の投資家が日本株を取引したい場合にはNY拠点の勘定を使って取引を行うこともあります。ニューヨークの日中は東京証券取引所がクローズしているため、取引所で売買することはできません。そこで我々が相手方となって相対取引によって株式を提供するのですが、約定した価格が変動するリスクをヘッジする必要が生じます。もっとも確実なのは取引と同じ金額の反対売買を行うことですが、そう都合良くはいきません。そこでADR(米国預託証券)と呼ばれる米国市場で取引できる日本株や先物などを組み合わせることで価格変動リスクをヘッジします。また市場の流動性を担保するためのマーケットメイクなども担当業務のひとつです。日本に居た頃に較べ、業務内容は格段に広がりました。

自身の予想通りに相場が動く。
その瞬間がトレードの醍醐味。
これまで特に印象に残っていることを教えてください。
私がニューヨークに派遣された2021年当時は、米国株の商いが極めて盛んな時期でした。取引額が拡大すれば、必然的に自己勘定で抱えるリスクも大きくなります。つまり、ささいな値動きでも損益が大きくでる状態で、より綿密なリスクコントロールが求められました。派遣早々、その渦中に飛び込んだ私は、引っ越しの荷ほどきもそのままに、連日どのようにリスクを解消していくか、マーケット動向を常に分析し、同僚やセールスと意見交換を重ねて、日々入念な準備のもとでポジション管理に奔走しました。株式市場の大きなうねりの中で、自身の力を120%放出した経験は、トレーダーとしての私の成長を大きく促してくれました。
ディーラーという仕事の面白さをどんなところに感じていますか?
証券会社によって曖昧な部分があるのですが、厳密に言えば、自己勘定で取引を行なう私はトレーダーというよりディーラーに定義されます。ディーラーは自分の相場観に基づき、市場がどう動くのかを予想し、判断しなくてはなりません。その予測の基になるのは過去の法則です。例えば新たな政権が誕生すればご祝儀相場が生まれる。脱炭素に向けて社会が動けば環境関連株価が上昇する。これらはもっとも単純なケースですが、国際情勢や社会動向などさまざまな要因で株価は変動し、そこには一定の法則が存在します。では、その事象が起きる蓋然性はどれくらいなのか。それらをセールスとの会話やリサーチレポート等も投資判断の材料にしつつ、最後は自身で決断します。大きな金額を動かすため、自身の判断には大きな責任が伴います。その判断通りに市場が動き、結果として利益に結びついたときがディーラーの醍醐味を感じる瞬間です。
可能性に満ちた市場で経験を重ね、
スペシャリストの道を究めたい。
ご自身が感じる大和証券の社風や強みを教えてください。
大和証券には若手社員の教育体制が整っており、早くから重要な役割を任され、活躍できる環境があります。実力や意欲をもった社員には積極的に挑戦する機会が与えられます。また上下関係に縛られず意見やアイデアを自由に発信できる風通しの良さも大和証券の魅力でしょう。私自身もエクイティ部に配属され、上司や先輩方にいろいろなことを教えてもらいました。大学時代に金融工学を学んだとはいえ、現場で鍛えられた先輩方からの実践的なアドバイスは、私の基礎になっています。入社5年でニューヨーク駐在にアサインされたのも、若手に経験を積ませ、育てようという親心だったと思います。多様性が大和証券の強みだとよく言われますが、実際に社内にいるとあまり意識することはありません。とりわけニューヨークでは多種多様なバックグラウンドを持つ人々と一緒に仕事をしているので、大和証券というフィールドでは、多様性は当たり前すぎる日常なのです。
今後の目標、思い描いている将来ビジョンを教えてください。
大和証券には若手社員の教育体制が整っており、早くから重要な役割を任され、活躍できる環境があります。実力や意欲をもった社員には積極的に挑戦する機会が与えられます。また上下関係に縛られず意見やアイデアを自由に発信できる風通しの良さも大和証券の魅力でしょう。私自身もエクイティ部に配属され、上司や先輩方にいろいろなことを教えてもらいました。大学時代に金融工学を学んだとはいえ、現場で鍛えられた先輩方からの実践的なアドバイスは、私の基礎になっています。入社5年でニューヨーク駐在にアサインされたのも、若手に経験を積ませ、育てようという親心だったと思います。多様性が大和証券の強みだとよく言われますが、実際に社内にいるとあまり意識することはありません。とりわけニューヨークでは多種多様なバックグラウンドを持つ人々と一緒に仕事をしているので、大和証券というフィールドでは、多様性は当たり前すぎる日常なのです。

One Day
ある1日の流れ
- 7:00
- 出社 9時半のニューヨーク市場オープンに向けてマーケット動向をチェック。
- 9:30
- 取引実施 取引時間中はセールスを通じて投資家へ価格を提示したり、保有するポジションのリスクを解消したり。
- 13:00
- 昼食 取引の合間を見て昼食。
- 13:20
- 取引再開 わずかなブレイクを挟んで取引再開。
- 16:00
- 事務作業 マーケットクローズ。取引の集計などの事務作業を行う。
- 17:00
- マーケット動向を確認 日中のマーケット動向をセールスや日本に向けて情報を提供する。
- 18:00
- トレードアイデアの検討
- 19:00
- 退社
Private
オフの過ごし方
トレーダーはデスクワークがメインなので休日は体を動かすようにしています。バスケットボールが趣味なので週末は近所にある公園で友人らとバスケットボールをしたり、機会があればNBAの試合を観戦しに行ったりしています。