
Interview
大学で学んだ数理の知識を活かし、
デリバティブ商品の
プライシングモデルを開発。
肖 瑾
SHOH KIN
デリバティブ・トレーディング部 課長代理
2021年入社 総合職
情報学研究科数理工学専攻修了
入社動機
大学で学んだ数理の素養が生かせる仕事に就きたいと思い、金融業のクオンツ職やITエンジニアを中心に就職活動を行う。大和証券のフィナンシャル・エンジニアリングコースのインターンシップに参加し、仕事の内容、職場の雰囲気も自分にとって理想的な場所だと感じて入社を決めた。
数理工学を学び、
デリバティブクオンツに。
クオンツ職を志望した理由をお聞かせください。
私は大学、大学院を通して数理工学を学んできました。専門はモンテカルロ法です。モンテカルロ法とは、乱数を用いた試行を繰り返すことで近似解を求める確率的数値計算手法の一つで、さまざまな変数を含むプロセスの確率をモデル化するために用いられます。こうした手数理工学の手法は工学や金融、IT分野などで広く利用されており、私の所属していた研究室でも毎年何名かがアクチュアリーやクオンツ職に就職しています。私自身も、学んだ数理工学を活かせる仕事として、証券業界のクオンツ職、ITエンジニアを視野に就職活動を進めていました。大和証券を選んだのは、修士1回生の時にインターンシップに参加したことがきっかけです。初歩的なブラック・ショールズ・モデルを用いたプライシングなど実践的な仕事体験を行ない、多くの社員の方々と接したことで、証券会社のクオンツ職の仕事がどんなものかを肌で知ることができました。

所属部署の役割と担当する仕事内容を教えてください。
デリバティブ・トレーディング部はその名の通り、金融先物やスワップ、オプションなどの各種デリバティブ商品を開発し、取引を行う部署です。私が所属するフィナンシャル・エンジニアリング課の主な役割は店頭デリバティブ商品のプライシングモデルを開発すること。デリバティブ商品は投資家との相対取引で行われるため、当事者間で価格や条件を設定します。プライシングモデルは、それぞれのデリバティブ商品が持つリスクを数理的手法で定量化し、評価ロジックに基づいた適正価格を算出するものです。トレーダーはこうして算出された価格、条件をもとに取引を行ないます。新たなスキームの商品を開発する場合、ストラクチャード・プロダクト部が組成した仕組債について、私たちがプライシングモデルを開発し、最後にリスクマネジメント部門が認証するという手順を踏みます。このほか、デリバリブクオンツの役割として、トレーディングデスクの業務効率改善のためのツール開発や分析ツールの開発も担います。私は今年から今年からトレーディング課の兼任となり、メイントレーダーのサポートとしてトレーディング業務も担当するようになりました。

フロント業務への理解を深めた
組織横断のプロジェクト。
これまででもっとも印象に残っている仕事について教えてください
現在も進行中の、顧客分析ツールを作成するプロジェクトです。これはセールスの要望から始まったプロジェクトで、セールスが担当している複数の顧客のリスクや傾向を分析するためのツール開発です。プロジェクトメンバーは営業やIT部門など大和証券各部門から選抜され、私はクオンツ代表として、どのようなシナリオで分析するのか、信用VaR(バリューアットリスク)を求めるモデルをどう構築するかを担当しました。事前調査、ヒアリング、開発など最初から1つのプロジェクトにかかわるのは初めての経験であり、部門を横断して異なる職種の人々と同じ目的に向かって協業するのも新鮮な体験でした。私はそれまで金融ビジネスの現場がどういうものか、ほとんど知らなかったのですが、フロント業務の中でもいちばんお客様に近いセールスとの交流を通して、彼らが何に注目して、何を意識しているかがより分かるようになりました。
ご自身が感じる大和証券の社風や強みを教えてください。
社員がフラットに交流して、助け合うカルチャーがあること、そこが強みだと思います。クオンツは一人で黙々と仕事をしているように思われがちですが、実際は交流と議論の中でアイデアが生まれ、よい成果を生み出すことができると感じます。また、大和証券には世界金融の中心地であるロンドンで活躍するクオンツチームがあり、彼らとの情報交換や交流は大きな刺激になっています。
将来はロンドンチームに
参加できるクオンツに。
大和証券の多様性をどのように感じていますか。
デリバティブ・トレーディング部、大和証券の中でも特に多国籍の人材が多く集まっている部署です。みんなの背景、出身、趣味などが違うからこそ、フラットにコミュニケーションできる環境が自然にできて、楽しく仕事ができるのだと思います。多くの社員がバイリンガルであるため、日本語以外の言葉が飛び交っている面白い環境です。とはいえ、普段は敬語を含めて丁寧な日本語を使うことを意識しています。大事なのは意志がきちんと伝わることですが、文化に対しての必要最低限のリスペクトと考えています。

将来の目標、ビジョンを教えてください。
クオンツは私にとって、理想の仕事です。クオンツはデリバティブ価格評価モデルの開発・運用や新商品評価意外にも、リスク管理の高度化のためモデル開発やシステム開発などさまざまな部門で必要とされますが、私はモデル開発ができて、コーディングもこなせるクオンツを目指したい。そして、いつかロンドンチームに加わり、もうひとつ上のステージで活躍することが夢であり、実現すべき目標です。
One Day
ある1日の流れ
- 8:30
- 出社 オファーシート作成、連絡事項を確認。
- 9:00
- 業務開始 トレーディングデスクのフロー対応、担当しているツール/モデルに関する照会対応。
- 11:30
- 昼食
- 15:00
- 案件対応 取引時間終了後、手元進行中の案件を進める。
- 15:30
- チームMTG チームメンバーと進捗状況の共有をする。
- 17:30
- オンラインMTG ロンドンチームと会議。
- 18:30
- 帰宅
Private
オフの過ごし方
社会人になってスノーボードを始めました。東京に来てから毎年冬になると、週末はほぼずっとスキー場で過ごしています。通っているのは主に越後湯沢のスキー場。秋が深まると、だんだん寒くなっていくのを楽しみにしています。